非正社員の厚生年金

非正社員の厚生年金

非正社員は国民年金に自分で加入しているのが普通ですね。ところが、3月5日に非正規労働者に対する厚生年金加入を拡大させようということが、集中検討会議(社会保障改革)で審議されました。

 

労働者にとっては、国民年金よりも厚生年金のほうが有利であるということは事実で、安定した老後のためには、いい方向に向かっていると思えます。

 

しかし以前にもこのような法案が国会で審議された経緯がありますが、中小企業団体の猛反発で廃案になってしまいました。

 

厚生年金に加入していない中小企業が厚生年金に加入すると、当然ですが年金保険料の負担が発生することになりますから、労使折半で給与の約16%の半分の8%を、今までの賃金より多く支払わなければならなくなってしまいます。

 

このことに対して一般の中小企業経営者は反対するわけです。

 

もし仮に中小企業側が受け入れたとしても、負担が増える分、給与を下げてしまう可能性が大きいでしょうね。

 

例を挙げますと、年収が500万だった場合は、厚生年金保険料が80万円で半分の40万円の支払負担となります。

 

したがって、企業としては給料を460万円に抑えて人件費で圧迫されないようにしたいと考えるでしょう。

 

労働組合がある場合には、給与を下げるということが難しい場合もあるので、そのときは厚生年金を組み込んだ賃金を提示してくると思われます。

 

いろいろと数字のマジック的なことをするわけですね。

 

結局、厚生年金保険料を払いたくないから企業側は加入してないのであり、もともと賃金の低い中小企業に厚生年金に加入しろといっても現実としてかなり無理がありますので実現にはかなりの努力が必要でしょう。